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保育士発信でユニークな取組を!「まちの保育園 鎌倉」が大切にする文化とは

面白法人カヤック(以下、「カヤック」)が経営する、「まちの保育園 鎌倉」を知っているだろうか?

「まちの保育園 鎌倉」とは、IT企業である「カヤック」が初めて企業主導型保育所として開園し、たった1年で増員・増設が決まった異例の保育園である。

カヤックの代表である柳澤氏は、まちの保育園 鎌倉について「人とのつながりを生み出す保育園」と話している。

「人とのつながりを生み出す保育園」では、いったいどのような取り組みが行われているのだろうか?今回は、保育事業担当者の植杉さんと園長の中尾さんに、具体的な保育内容や保育観についてお話を伺った。

人とのつながりを生み出す保育、2つの具体例

―――「まちの保育園 鎌倉」では、「人とのつながりを生み出すことを大事にしている」と伺いました。具体的に、どのような取り組みをしているのか教えてください。

中尾さん(園長):まちの保育園 鎌倉には、運動会や発表会など決められた行事はありません。保育士と話し合いながら、何が子どもたちにとって必要か日々考え、イベントを企画しているからです。

これまでに様々な取り組みを行ってきましたが、中でも当園らしい取り組みを2つご紹介します。

保護者をつなぐ「ハッピーフライデー」

企業主導型保育所_保育士育成_保護者対応
(左)園長の中尾さん (右)カヤックの保育事業担当者の植杉さん

中尾さん:一つ目は「ハッピーフライデー」というイベントです。

これは毎月1回金曜日、保護者や子どもたちに保育園で夕食を食べて帰ってもらうというイベントで、「保護者と子どもの時間を作ってあげたい」という思いから企画されました。

「もっと子どもと過ごしたい」と考えている保護者は多くても、仕事などの様々な理由で、なかなか叶わないのが現実です。私たち自身も、一当事者としてそれを実感しています。

「では、どのようにしたら良いのか…」と保育士たちと話し合った時に、「園で夕食を食べることができれば、準備や片付けの手間がなくなるのでは?」という意見が出ました。これなら、子どもとゆっくり過ごす時間が増えるということで、実行することにしたのです。

―――参加者の反応はいかがですか?

中尾さん:おかげさまで、ハッピーフライデーに参加された方からは、「親子でゆっくりご飯が食べられるだけでなく、他の家族と関われるのも楽しい」と好評をいただいています。みんな、楽しくてなかなか帰りたがらないくらいです(笑)

お母さんだけでなくお父さんが参加してくれることもあります。保護者同士、働きながら子育てする親として話をしたいこともありますしね。

地域をつなぐ「まちの写真展」

植杉さん(事業担当者):二つ目は「まちの写真展」というイベントです。「まちの写真展」とは、子どもたちが散歩中に撮影した写真を、鎌倉のお店に掲示してもらうイベントです。

中尾さん:このイベントは、「子どもたちに写真に撮ってもらい、まちに飾ったら面白そう」「まち全体が写真展のようになったら、地域の皆さんも保育園の一部に触れられるのでは?」という考えから始まったんです。子どもたちの視点って本当に面白いので、地域の皆さんにも楽しんでもらいたいなと思いました。

イベントが始まると、飾ってある写真を見た他のお店の方から、「それ何?うちにも飾ってよ」と言っていただけたこともあり、嬉しかったですね。

「まちの写真展」を開催したことで、当園とはつながりのなかった地域の方とも、写真を通してつながることができるようになったと思います。

「話し合い」を大切にする文化が、人とのつながりを生み出していた

企業主導型保育所_保育士育成_話し合い

―――そのようなイベントや取り組みは、どのようにして生まれたのですか?

植杉さん:保育士との話し合いから生まれています。話し合いはカヤックが大切にしていることの一つです。例えば、良い保育をするためのアイデアを上下関係が絡んで言えない、恥ずかしいから言えないとかは勿体ないですよね。常に話し合える環境は、子どもの育ちを考えるうえで大切です。

―――常に話し合える環境は、どのように作っていくのでしょうか?

植杉さん:カヤックも話し合うことを大切にしていますが、中尾さんも「話し合い」を行うことを大切にしてしています。まちの保育園 鎌倉の保育士は、中尾さんと以前働いたことのある人が多いので、開園当初から、中尾さんを中心に特別な場を作らずとも、話し合いを行える環境はできていました。

そのうえでカヤックの文化であるブレインストーミングを保育士たちに体験してもらいました。ブレインストーミングでは、人のアイデアに乗っかっていくのを良しとしています。否定せず、どんどん乗っかっていくことでアイデアが膨らみ、良いアイデアが浮かんでくるんです。

敢えて話し合う機会を作るのではなく、普段から話をしているからこそ「ハッピーフライデー」や「まちの写真展」などのイベントが生まれたのだと自負しています。

まとめ

企業主導型保育所_保育士育成_成功例
保育士のプライベート写真が飾られている、自己紹介コーナー

カヤックの「鎌倉資本主義」という地域に根差した保育と、「話し合いを大切にする文化」が園長である中尾さんの保育に対する考えと一致しており、それが保育にも生かされていることが取材からわかった。

まちの保育園 鎌倉は、「人のつながりを生み出し、地域における社会関係資本を増やしていくコミュニティ」だ。子どもたちは保育園を通じ、様々な人とつながり成長し、「地域の中で生きている」ことを実感していくだろう。

核家族化が進み地域とのつながりも希薄になっている現代。保育園が地域のつながりを担っていることは、保護者にとっても嬉しいことだろう。

今回取材させていただいた方
植杉 佳奈恵
面白法人カヤック 保育事業担当者。
2011年入社し、人事労務に従事。2017年5月から企業主導型保育事業「まちの保育園 鎌倉」の立ち上げに関わり、2018年4月に開園。

中尾 薫
「まちの保育園 鎌倉」園長。
認可幼稚園 保育園の現場経験23年、趣味の海遊び歴30年を経て2011年「一般社団法人Telacoya921」として認可外幼稚園を設立。一般社団法人うみとやまのこどもとしょかん 代表理事。保育士、幼稚園教諭、小学校教諭、EMERGENCY FIRST RESPONSE CARE FOR CHILDRENインストラクター、Infant Aquatics Survivalインストラクターの資格を持つ。